11月19日の朝日新聞で面白い記事があったのを思い出し、母と話していた。
「ウィーンフィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒル氏のバイオリンリサイタル。柔らかな美しい音に私服の時を過ごし、曲目はシューベルト、ベートーベンらのバイオリンソナタ。
プログラム後半、モーツァルトのソナタを演奏中のこと。
客席から携帯電話の受信音がなり始めました。
ちょうど楽章が替わり、次の楽章を弾きだす寸前、10秒ほどの間でした。
氏が弓を構えたまま音の止むのを待つ間、場内がざわつきました。
受信音が消えて数秒後、氏は再び弾き始めましたが、何とそれは、
携帯電話の電子音のメロディーを寸分違わずまねた音でした。
開場は驚きで息をのんだ後、静かな笑いの輪が広がりました。
一瞬のうちに開場を和ませ、自らの気持ちも落ち着かせた起点とスピリットは、
まさしくメード・イン・オーストリア。そして、何事もなかったように続いた素晴らしい演奏・・・」
(08年11月19日 朝刊15面 朝日新聞より引用)
演奏中の着信というマナー違反によって生じた客席の空気の悪さ、
そして、緊張感に包まれたこの状況に対して、
想定外で返す巨匠のクリエイティブ能力は、素晴らしい!
予定調和のコミュニケーションが多いこの世の中で、巨匠の行動は人をハッと驚かせただろう。
アートを通じて魅せてくれる誰も知らない世界。
「観る人、聞く人、感じる人をどこかに連れてってしまう」
それがアーティストのあるべき姿ではないだろうか。
そして、アートとは、人を驚かせ、新しい世界に連れて行き、感動を与えるものであると同時に、人をHAPPYで穏やかな気分にするもの、であるべきだ。
ここ最近のモダンアートは、気持ちが悪かったり、不愉快なものもくある中で、強く思った。
とても面白い記事だった!
