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何か新しいことをはじめるとき  アンリ・ミショー

2009年6月16日

ぼくが何か新しいことをはじめるとき、未来は美しい。

まず、全く異なった夜が来る。

夢の、例によってほのかな、見たかと思えば忘れてしまうあのイメージ、それが
すばらしいものとなって
あらわれてくる。

ぼくはそのイメージをみつめる。
なんという光景!
ぼくにとってそれらのイメージがなんとよく働きかけてくることか!

それにそれらの色彩!

朝、目が覚めると、世界は洗われている。

健康のクッションがぼくをかきたてる。

ぼくには新しい力が沸いてくる。

この状態が数日続き、それからだんだん弱まって行き、(だがぼく全体はいっそう落ち着き、おそらくおちつきすぎてくる。しばらくそれを魚雷で攻撃する必要があろう)、新しいmodus vivendi(新鮮な法則)が出来上がる。

それがまだひそかな法則で、誰の目にも留まらない。
ぼくは自分自身に対してあらたに不実を働く。

昨日、僕は発見した、こんどは油絵を。(予告されてはいたが、この発見は50回、50回もだまされた。そして「良き翌日」はなかったのだった。)

このねばねばした、塗りたくる素材(僕がものや男や女で一番嫌いなのは、塗ることだ)
これから、こんどこそぼくは何かを抽き出せるような気がする。

何もしないでしばらくじっとしていられる。

そこなのだ。待つのだ...


(1946年 アンリ・ミショー)