ぼくが何か新しいことをはじめるとき、未来は美しい。
まず、全く異なった夜が来る。
夢の、例によってほのかな、見たかと思えば忘れてしまうあのイメージ、それが
すばらしいものとなって
あらわれてくる。
ぼくはそのイメージをみつめる。
なんという光景!
ぼくにとってそれらのイメージがなんとよく働きかけてくることか!
それにそれらの色彩!
朝、目が覚めると、世界は洗われている。
健康のクッションがぼくをかきたてる。
ぼくには新しい力が沸いてくる。
この状態が数日続き、それからだんだん弱まって行き、(だがぼく全体はいっそう落ち着き、おそらくおちつきすぎてくる。しばらくそれを魚雷で攻撃する必要があろう)、新しいmodus vivendi(新鮮な法則)が出来上がる。
それがまだひそかな法則で、誰の目にも留まらない。
ぼくは自分自身に対してあらたに不実を働く。
昨日、僕は発見した、こんどは油絵を。(予告されてはいたが、この発見は50回、50回もだまされた。そして「良き翌日」はなかったのだった。)
このねばねばした、塗りたくる素材(僕がものや男や女で一番嫌いなのは、塗ることだ)
これから、こんどこそぼくは何かを抽き出せるような気がする。
何もしないでしばらくじっとしていられる。
そこなのだ。待つのだ...
(1946年 アンリ・ミショー)
